2012-07-19

手描きについて思うこと イラストレーション

私は制作の過程で、手でしか表現できない線やニュアンスにも 注目しています。

イラストレーション、デザインのコンセプトやラフ案も、
できるだけ紙とペンと手でカタチをつくるようにしています。
道具としてのソフトウェアを使う作業は、最後の段階となります。

インクをつけたペンもソフトウェアを操作するマウスも同じ道具 といえば、
そうなのですが、まっすぐじゃない線、インクのかすれ具合、 折れるシャープペンの芯、
消しゴムのかす、 インクのボトルがひっくり返るというアクシデント(添付イラスト)は
紙の上で描いているから起こることです。

子供の頃、広告チラシの裏にボールペンでよく落書きをしました。
当時は片面の広告チラシでツルッとした紙が多かったような記憶があります。
そのツルッとした紙をボールペンの先がよく転がっていた感触を
今でも思えています。
その頃の私には今のデータを扱う社会は想像できなかったでしょう。

現在、デジタルの道具としてのソフトウェアは便利で必要な道具だと思っています。
事実、それは私にとって必要な道具の一つですし、スキャンした原画や
デジタル化した 点や線のデータを保存するためにハードディスクも使います。

しかし、私には原画の存在しないデータのみの絵、というものに対して
満足できない ところがあるようです。

手で描いた図とデジタルで描いた図の表現や達成感の違いとは何だろうか、
もし、世の中の電源がシャットダウンしたとき、
原画の存在しないデジタルの絵は どうなるのだろうか、
また、中世ヨーロッパの絵描きが絵を描くときは、
どんな感じだったのだろうか、

そんなことを考えながら、床にこぼしたインクを拭き取っていました・・

手描き、手作りの価値を再認識するということも私のプロジェクトの一つです。
絵に限らず、手で何かを作っている人達からは色々と学びたいと思います。

子供の頃、できた!!と満足げに、紙に描いた絵を誰かに見せた記憶、
皆さんにもありませんか?

私は、その頃の気持ちをいつまでも大切にして生きています。

藤倉周平商業美術制作所では アナログ~デジタルと幅広く
イラストレーション、デザインを提案します。